他所は他所

どうも、東出です。

最近知った興味深い言葉に、「自他境界」というものがあります。ご存じでしょうか?

 

自他境界とは「自己と他者の間に存在する心理的な境界線」のこと。

この境界があいまいだと他人から影響を受けやすくなったり、逆に自分の考えを押し付けてしまうことになります。

 

自他境界の程度は相手や状況によって変動するそうで、親兄弟や彼氏彼女、自分の子供など、近い関係性の人間との間では、そうでない関係と比べて境界があいまいになりやすい傾向にあるとのこと。

親にはわがままを言ってしまったり、我が子が言うことを聞かなくて「なんでわかってくれないの!?」と憤ってしまったり。

誰しも経験のあることですね。

自他境界が明確にある人は「自分」をしっかり持っているため、人から余計な影響を受けたり、逆に心理的に他者を攻撃する不安定さがありません。


赤ちゃんのころは、自分をお世話してくれる保護者と自身の境界があいまいな世界で育ちます。

そこから幼稚園→小学校→中学校と、徐々に他人とのコミュニケーションで成功や失敗を重ね、「自分と自分以外は違うものだ」という感覚を養っていくのが健全な成長と言えるでしょう。


ですが昨今だと、自分と他人を分ける「健全な成長」ができている人が少ないように感じています。

自分がうまくいかないのは他人のせい、といった他責思考も自他境界があいまいな例の一つととらえています。

たいていの場合で他責思考でいても状況は好転しません。

他人に責任を押し付け答えを求めるよりも、内面を変化させる方がよほど簡単です。

何か具体的な成果を得られるようになるまでは時間がかかるかもしれませんが、とらえ方一つが変わるだけで心はスッキリしますからね。


心にモヤモヤを抱えているみなさま。

「自分のことをわかってくれる人がいない!」と他人に押し付けていませんか?
もしくは他人の押し付けを自分事だと勘違いしていませんか?


「他所は他所、うちはうち」の精神で、穏やかに年を越したいものですね。